輪島塗の洗い方や長持ちするお手入れ方法とは?上手な使い方も解説

普段から輪島塗のような漆器を使い慣れていない場合、お手入れの方法や使い方は分からないものです。輪島塗は、特別難しい洗い方やお手入れをする必要はありません。本記事では、輪島塗を長持ちさせるためのお手入れの方法や、使い方の疑問を解消します。ポイントを押さえて、輪島塗を大切に使っていきましょう。

輪島塗の洗い方やお手入れの詳細

輪島塗の扱い方は、難しくはないものの注意点があります。漆器はデリケートな一面があるため、他の食器とまとめてお手入れができないのです。ここでは、時系列ごとに洗い方やお手入れの方法を解説します。

購入した直後のお手入れ方法

漆器は、完成したばかりの時や購入したばかりの時に、漆のにおいを発生させます。これは天然のにおいなので、漆器の使用によって少しずつにおいが薄まります。

 

とはいえ、漆のにおいはすぐに落ちるものではありません。においが落ちるまで数か月かかるのが一般的ですが、応急処置を施すことによりある程度のにおいが抜けるでしょう。以下のような形で、早めににおいを取り除いてみてください。

 

【輪島塗の食器の応急処置について】

・輪島塗を米ぬかに数日間入れる

・米ぬかを溶いた水で漆器を洗う

・ぬるま湯で2回から3回ほど洗った後、酢を染み込ませた布でしっかりと拭く

輪島塗を使用した後のお手入れ方法

輪島塗の漆器を使用した後は、料理のカスが乾いてこびりつくことを防ぐために、速やかに流しへ移動させます。すぐに洗うのが困難な場合は、一晩水に浸しておいても問題ありません。しかし、一晩水に浸しておけるのは、本物の漆器のみです。

 

本物の漆器を見分けるのは素人には難しいので、最初から本物だと分かっている漆器か、もしくは査定してもらうのがいいでしょう。

 

輪島塗の漆器は、中性洗剤を薄めたもので洗うことができます。また、洗う際は、輪島塗の漆器ばかりをまとめて洗うのがポイントです。他の食器と合わせて洗うと傷がついてしまうので、ガラス製や金属製の食器と一緒に洗うのには向いていません。

 

汚れがこびりついている場合は、湯水でゆるませてから、使い古した布で落としましょう。こびりついた汚れを落とす時は、スポンジや台布巾なども使えます。

 

輪島塗は、お湯の中で材質の異なる食器とぶつかり合うことに弱いので、指輪も外した方がいいでしょう。洗いあげの際に少し熱いお湯を使えば、余分な水分を素早く蒸発させられます。

輪島塗の保管方法について

輪島塗は、洗う時と同じように、保管する時も漆器だけまとめて保管しましょう。なぜなら、ガラス製の食器などと一緒に保管すると、傷がついてしまうからです。長期の保管をする場合は、輪島塗を箱に入れて保管するのがいいでしょう。

 

また、湿気の影響を受けることを避けるために、低い位置に保管をするのが適しています。漆器は、長期間保存をしていると小さなカビがつくときがありますが、拭けば綺麗に落ちるでしょう。

お手入れだけでは綺麗にならない時の対処法

漆器の状態によっては、ご自宅でのお手入れだけではどうしても綺麗な状態にならない場合があります。そんな時は、修理や塗り直しを依頼することで、新品同様のつやが蘇る可能性があるのです。

 

和家具や漆器を専門に修理している工房では、何十年と和家具に携わってきた職人が漆器を扱います。自分でお手入れをする際に不安がある時は、工房の職人に依頼する方法もあるのです。

輪島塗の上手な使い方とは

輪島塗の扱いに慣れていなければ、日常の中で使い方に関するさまざまな疑問があることでしょう。ここでは、輪島塗や一般的な漆器を例にして、使い方を解説しました。

 保温性と保冷性が高い

輪島塗は、保温性や保冷性の高い漆器であるため、温かい料理は温かさを、冷たい料理は冷たさを維持します。とはいえ、漆の色つやを劣化させる原因になるので、やけどをしてしまうほど熱い料理を入れるのには向いていません。

輪島塗は毎日使っても問題はないのか

「漆器は特別な時に使うもの」と考える人は多いでしょう。しかし、漆器は使えば使うほどにつやが出るため、毎日使っても問題ありません。また、適度な湿気を好むため、あまりにも使う頻度が少なければ、乾燥の原因になります。丁寧に扱えば、毎日使用したとしても、一生使い続けられるのが輪島塗の特徴です。

お重を冷蔵庫に保管しても問題はないのか

お節料理の入った輪島塗のお重は、冷蔵庫に保管をしても大丈夫です。なぜなら、お重は冷蔵庫の中で長期的に保管するわけではないからです。

 

しかし、断熱性の高い輪島塗は、お重の蓋をはずしてからラップをかける方法が向いています。蓋をはずした方が冷蔵庫の中でかさばらない上に、冷気が伝わりやすいでしょう。

まとめ

輪島塗は、傷をつけないために、漆器だけをまとめて扱うのがポイントになります。また、保温性や保冷性に優れているため、特性を上手に利用すれば普段使いでも活躍するでしょう。

 

「小林宝林堂」では、和家具や漆器の修理を承っています。漆器や座卓などについて修理を行っていますので、気になる点がございましたらお気軽にご相談ください。

ページ上部へ