意外と知らない?和家具の代表的な種類とそれぞれの特徴とは?

和家具というのは、その名の通り和のテイストで作られた家具のことです。実際にものを見ればわかるとは思いますが、どのような種類があるのかについては意外とご存じない方が多いのではないでしょうか。そこで今回は、和家具の代表的な種類とそれぞれの特徴についてご紹介いたします。

箪笥(タンス)

和箪笥と呼ばれる種類の和家具です。あえて『和』とつけなくても基本的には通じますが、箪笥ですと洋風のものまで含まれるため、明確に区別する際は和箪笥と呼びます。民芸箪笥、あるいは和風箪笥と呼ばれることもあります。

 

登場したのは江戸時代前半と言われており、それまで衣服などを収納する際には櫃(ひつ)などの収納箱が活用されていました。しかし、より収納力の高い保管場所が必要になってきたことから、箪笥が誕生したのです。しかし、当初は箪笥は高級品という扱いで誰でも所有できるものではありませんでした。その後江戸時代の後半〜明治にかけてのあいだに徐々に庶民の間でも普及していったのでした。

 

和箪笥は産地によって特色があることも有名です。とくに、以下の産地は特徴的です。

仙台箪笥(宮城県)

江戸時代に仙台藩の武士が内職で制作したのが始まりとされる宮城県産の箪笥です。欅材を使っており美しい漆塗りであることと、豪華な飾り金具が特徴的です。新品だけでなくアンティーク品も非常に人気があり、販売されています。

庄内箪笥(山形県)

山形県産の庄内箪笥ですが、酒田市で作られたものと鶴岡市で作られたものの2種類があります。庄内箪笥とひとくくりにされていますが、それぞれに特徴が異なります。酒田箪笥ですと錠前金具が独特な文様となっており引き手金具は角手というのが特徴です。一方で鶴岡箪笥は、飾り金具が立体的で非常に迫力があることと丸みを帯びた引き手金具が特徴となります。

米沢箪笥(山形県)

同じく山形県産となる米沢箪笥ですが、錠前金具が丸い形状になっており表面には桜や蝶などのきれいな彫金が施されています。全体的に金具が控えめな印象ではありますが、強調しすぎない重厚な雰囲気が室内でうまく溶け込むような仕上がりとなっています。格調高くそれでいて悪目立ちしないところが人気のポイントです。

漆器

漆器というのは、漆を使用した食器などの工芸品のことを指します。漆は縄文時代より塗料や接着剤として使用され続けてきました。漆の木の樹液から精製されたもので、堅牢性や耐久性に優れています。デザイン性にも優れているため食器の他にも仏像や建物に至るまで広く使われております。合成塗料としては今もなお漆を上回るものは存在しておらず、塗り重ねていくことでさらに強度を増していくという特徴があります。

 

そんな漆を全体的に施した工芸品が漆器です。食器としての耐久性は抜群ですので、丁寧に使うことで何十年何百年と使い続けていけます。現代までにさまざまな加飾技法が編み出されており、デザインにおけるバリエーションは多岐にわたります。

 

現代における漆器ですが、使用されている漆の98%が外国産となっており、残る2%の内7割が岩手県二戸市で生産されたものが使われている状況です。国産の漆は文化財や伝統建築物で使用されていますので、漆器に関しても国産漆を使用しているものはごくわずかとなります。それだけに国産漆を使った漆器の希少性と価値はとても高いものとなっております。

座卓

座卓というのは、食事用あるいは応接用の机のことです。明治の頃から一般家庭に普及したとされています。もともと日本では畳の部屋がメインでしたので、畳の上に設置して使うことを想定して作られています。現代においても畳あるいは絨毯などの上に設置することがほとんどですが、フローリングが浸透していることから、あまり使われなくなりつつある和家具とも言えるでしょう。

 

座卓には大きく分けて以下の2種類が存在しています。

アンティーク品

高品質の座卓を新品で使用したいという方が多いかもしれませんが、新品はやはり価値が高いため価格も高額になってしまいがちです。そこでアンティーク品がおすすめとなります。使い込まれていることによる他にはない味わいが醸し出されているのが特徴です。それでいて値段は新品よりも抑え目なので、比較的入手しやすいのではないでしょうか。アンティーク品ですと脚部分が座卓ごとに異なっており、そのデザイン性を楽しまれる方も多いです。

民芸家具

モダンなデザインの座卓がご希望でしたら、民芸家具の座卓がおすすめです。シンプルなデザインのものが多数用意されておりますので、シンプルデザインの座卓をお探しの方でしたら、アンティーク品より民芸家具のほうが選択肢も多いでしょう。

その他

その他の和家具としては、『飾り棚』等が挙げられます。飾り棚は一般的に美術品などを飾るための棚として使用されるもので、日本においても和家具の一種として存在しております。形状としてはさまざまなバリエーションがあり、どういった物を飾るのか、どこに設置するのかによって選ぶことになるでしょう。あくまでもメインとなるのは飾る美術品ではあるものの、飾り棚自体も漆の艶や木目の美しさが際立つのが特徴的です。それでいて美術品を引き立てる存在ですので、和室にはぜひ設置したい家具の一つとなります。

まとめ

今回ご紹介したのはあくまでも代表的なものですので、細かいものも含めると和家具はまだまだたくさんの種類が存在しています。ご実家などで使用しているものがどれなのかチェックしてみると楽しいかもしれません。和家具は長年愛用される方が多い反面、使用している中で修理の必要が出てきます。「小林宝林堂」では、和家具や漆器などの修理を全国より承っております。ご希望の方はまずはお気軽にお問い合わせください。

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