インテリアは暮らしのスパイスとなる要素の一つです。住宅は普段過ごす場所ですので、どのようなインテリアにするのかが住み心地に影響を与えます。洋風インテリアが多い傾向にありますが、和家具を使ったインテリアも素敵です。そこで今回は、和家具でおしゃれに楽しむためのコツや事例についてご紹介いたします。
インテリアに和家具を取り入れる
一般的に、住宅のインテリアは洋風を前提とした内装や間取りが多いかと思いますが、和家具を楽しむこともインテリアの楽しみ方の一つとしてあげられます。日本だからこそ合っているという部分もありますので、自宅内に和室があるという場合は、すぐにでも和家具を取り入れることが可能です。
和家具とは、明治〜大正に生まれた家具を指します。明治~大正時代は、西洋から洋風のインテリア文化が伝わってきており、区別するために和家具というカテゴライズになりました。日本の住宅や床座という文化に適した形で導入ができるという点が和家具の最大の特徴となっています。コンパクトかつ直線的なデザインで、座るための家具に関しては脚がありません。
当時生み出された製法によってつくられているので、現代の洋風家具などとは素材や金具にも大きな違いがあります。和家具でしか出すことのできない雰囲気や存在感は、唯一無二といってもいいでしょう。和風家具という種類の家具も存在していますが、これは和のテイストを取り入れた洋風ベースのデザインになっているので、和家具とは似て非なるものとなっています。
箪笥の事例
和家具の中でまずあげられるのは「箪笥」です。箪笥をインテリアに取り入れた事例は以下のとおりです。
食器棚として使う
キッチンなどで食器を収納するために使う箪笥には、水屋箪笥あるいは茶箪笥が適しています。水屋箪笥は、もともと台所で使用する収納棚です。基本となるのは2段重ねになっているタイプですが、そのほかにもサイドボードサイズのものも人気です。ガラス戸は、中身を確認できるので使い勝手が良く、木製扉は中が見えませんが重厚感や木目の美しさが際立つという特徴があります。茶箪笥は水屋箪笥よりもやや小ぶりで、主にお茶の間に設置して食器などを収納します。
ディスプレイ棚として使う
リビングや和室に設置することで、家具そのものと同時に、飾るアイテムも際立たせることが可能となるのがディスプレイ棚です。飾り棚とも呼ばれ、収納だけでなく棚の上に美術品などを置くことも目的としています。種類はいくつかあり、とくに有名なのが「階段箪笥」です。箪笥ではありますが、飾り棚に分類されます。もともとは階段として誕生したものですが、現代においては飾り棚として設置されることがほとんどです。
衣類の収納に使う
箪笥の用途といえば、衣類の収納が一般的な認識ではないでしょうか。和家具に関しても、衣類の収納をメインの目的とした桐箪笥の人気が非常に高いです。人気の理由には、防虫性と調湿性の高さがあげられます。衣類の虫食いを防ぎ、湿度も丁度いい状態を保ちやすいので、まさに衣類のための存在といえるでしょう。
机の事例
机の和家具には、「座卓」や「座敷机」があります。基本的には座った状態で使うことを想定されているため、机の脚は短いです。椅子を使えない高さであることから、畳の上などに設置して座布団などに座って使うことになるでしょう。インテリアとしての取り入れ方は、畳の上に限られてしまうと思われがちですが、実際のところそれだけではありません。
インテリアのスタイルの一つに、モダンリビングというものがあります。近代的な居間あるいは茶の間のことを指す言葉ですが、これは基本的に洋風のインテリアによって構成されるものとなっています。しかし、近年では座卓などをモダンリビングに取り入れることによって、椅子を使わない座スタイルのインテリアを導入するケースも増えているのです。
そのほか、ちゃぶ台も有名な和家具の一つで、丸い形状と座った状態で気軽に使える点が特徴です。円で使うか四角で使うかがちゃぶ台と座卓を選択するうえでの判断材料になるのではないでしょうか。座卓には、脚を折りたためるタイプもあります。使用しない時には収納しておけば良いので活用度は高まるでしょう。
内装全体の事例
和家具を中心にインテリアを組み上げるというのも良いのですが、内装全体に和家具を取り入れるという楽しみ方もあります。古民家などのように、全体のつくりが日本風の建物であれば、すべての家具を和家具にしても一切の違和感がなく、むしろ統一感という点では唯一といって良いほどマッチします。座スタイルに関しても問題はないでしょう。しかし、多くの場合は洋風の建物で、内装もフローリングであるなど、和のテイストがないケースばかりかと思います。それでも和家具を取り入れること自体は可能なのです。
洋風の内装にぽつんと和家具があると、違和感を覚える方も少なくないでしょう。しかし、しっかりと溶け込むように考えて設置することで問題なくなじませることは可能です。内装の色や素材次第で、箪笥を設置してもしっかりとインテリアが溶け込む状態も実現できます。
まとめ
和家具を設置することによって、純和風感を醸し出せるため、温かみのあるリラックス空間でありながら締まった印象にすることが可能です。これまで洋風を楽しまれてきた方は一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか。和家具が使用中に傷んだり故障したりした際は、「小林宝林堂」にお気軽にご相談ください。熟練の職人による確かな技術で、全国から修理を承っております。