漆器には漆器ならではの良さがたくさんあることをご存知でしょうか。漆の木の樹液を幾重にも塗り重ねて作られた漆器には、他の器にはない漆器ならではの良さがあるのです。色や質感が変化する、軽くて割れにくいなど漆器の魅力を徹底解説します。また、漆器に興味を持ち始めたばかりの方に向けて、おすすめしたい漆器をご紹介します。
漆器ならではの良さがたくさん！漆器の魅力とは
漆器が好きで数多く所有している方はもうご存知だと思いますが、漆器に興味を持ち始めたばかりの方に向けて漆器の魅力をお伝えします。
漆器の「色や質感が変化する」「軽くて割れにくい」「断熱性が高い」「防腐性・抗菌性がある」「手触り・口当たりが良い」の5つの魅力について、ご紹介します。
色や質感が変化する
漆器は長く使い続けると深い色に変化するだけでなく、磨き抜かれたツヤのある質感に変わります。新品の漆器も美しいですが、使い込んだ漆器は何とも言えない趣があり、大切に使われてきた様子が伝わってきます。愛おしい対象を慈しみながら育てるように、漆器は所有者の愛情を受けて成長する器なのです。
軽くて割れにくい
漆器の土台は木でできているので、軽くて割れにくい特徴があります。陶器は重いものが多いので、料理を入れるとさらに重くなって運ぶのが大変ですし、落としたら高確率で割れます。漆器は軽いため持ち運びしやすく、落としても傷が付くでしょうが割れにくいので普段使いしやすいのが魅力です。
断熱性が高い
土台が木でできた漆器のお椀は断熱性が高く熱が伝わりにくいので、中にどんなに熱い汁物が入っていても手で持てます。陶器の場合、持ち手が付いていれば熱くても持てますが、持ち手がなくて器を持ちながら食べるのに苦労した経験がある方も多いのではないでしょうか。
初めて漆器の汁椀を使った方は、あまりにも熱さを感じないのでびっくりするほどです。食事のマナーを教えたい小さなお子様にも漆器をおすすめします。
防腐性・抗菌性がある
昔からおせち料理は漆器の重箱に入れられていますが、それは漆器に防腐性・抗菌性があるからです。漆器に入れられた料理は雑菌の増殖が抑えられ、食中毒のリスクを軽減できます。見た目に美しいだけでなく、機能性の面でも漆器には大きな魅力があるのです。
手触り・口当たりが良い
漆器は使う人のことを考え抜いて作られているので、持った時に手触りが良いだけでなく手にピタッとなじみます。また、口当たりが良く、料理の美味しさを最大限に引き立たせます。長い歴史のある漆器はこれまで多くの人の生活に寄り添ってきましたが、これからも私たちの日常生活で活躍してくれることでしょう。
初めて購入する方におすすめの漆器3選
さまざまな魅力を持った漆器ですが、お手入れが難しそうと敬遠されやすいのも事実です。確かに漆器は電子レンジや食洗器で使えませんが、お手入れ自体はそれほど難しくありません。
傷が付かないように大切に扱うのはもちろんのこと、長時間水に浸けるのを避け、保管の際には直射日光が当たらないように食器棚に片付ければ、長く漆器を使えます。
そこで、初めて漆器を購入する方でもお手入れがしやすいおすすめのものとして、「汁椀」「ご飯茶碗」「お箸」の3つをご紹介します。
汁椀
漆器の断熱性の高さを体験していただくためにも、まずは汁椀がおすすめです。これまで恐る恐る汁椀を持っていた方も、漆器の汁椀は熱くないので驚くことでしょう。断熱性が高いということは熱い汁物が冷めにくいということなので、食事の最後まで熱い汁物を楽しめます。
ご飯茶碗
ご飯茶碗は使用頻度の高い器なので、ぜひ漆器のものを取り入れてみてください。漆器の最大の敵は乾燥で、乾燥するとひび割れる可能性がありますが、ご飯茶碗であれば日常的な使用で乾燥を防げます。洗う際には柔らかいスポンジで洗い、フキンで拭いてから食器棚に収納するようにしましょう。
お箸
漆器のお箸を使うと、口当たりが良くてどんな料理もワンランク上の味わいに感じられます。自炊する機会が少ない方はお箸だけでも漆器のものを使ってみるのがおすすめです。木やプラスチックでできたお箸とはまったく違う漆器の魅力をダイレクトに感じてみてください。
まとめ
漆器の魅力は時間とともに色や質感が変化することや軽くて割れにくいこと、断熱性が高いことです。また、重箱に代表されるように防腐性・抗菌性があるほかに、手触り・口当たりが良いことも挙げられます。
初めて漆器を購入する方におすすめなのは、汁椀やご飯茶碗、お箸です。ぜひ漆器の魅力を体感してみてください。
「小林宝林堂」は和家具や漆器の修理を行っている会社です。汁椀やご飯茶碗、お箸をはじめとするさまざまな漆器を取り扱っておりますので、ぜひお気軽にお立ち寄りいただき、何でもご質問ください。欠けやひび割れのある漆器がある方は、ぜひお気軽にご持参いただければと思います。
