桐箪笥はリメイクして蘇らせよう!桐箪笥の優れた機能と再生方法

 

家の物置に、桐箪笥(きりだんす)が眠っているという方もいらっしゃるでしょう。汚れているし、取手の金具も取れているし、虫に喰われてボロボロだから使えない。でも捨てるのにも大変なうえ、置いておくにも場所をとって、邪魔で困っている。そのように扱われているのではないでしょうか。

 

そんな桐箪笥はリメイクすることで蘇らせることが可能です。この記事では、桐箪笥の優れた機能や再生方法などについて解説します。

桐箪笥とは

桐箪笥とは、熟練の技を持った専門の職人が一つ一つを手作りする伝統的な工芸品です。その歴史は江戸時代初期頃からはじまり、以来その匠の技を代々引き継いできました。

 

江戸時代頃は、家に女の子が生まれると敷地に桐の木を植える風習がありました。女の子が成長し、15年ほど経って年頃になると、ちょうど桐も成木となります。そして、その女の子が嫁入りする時期を見計らって桐の木を切り倒し、箪笥を作って嫁入り道具としたのです。

桐が桐箪笥になるまで

桐箪笥はでき上がるまでに非常に手間ひまをかけ、さまざまな工程を経て、丁寧な手作業によって作り上げられます。だからこそ、古くなったり、劣化したりしても技術さえあればリメイクし蘇らせられるのです。

 

桐は製材して乾燥させ、アク抜きを行ってから素材として使われます。この工程を十分に行うことで、箪笥にしたときに狂いのない、頑丈なものになるのです。製材と乾燥、アク抜きには3年ほどを要すことがあります。

 

職人は箪笥に適した素材を厳選し、釘などを使わずに木釘を打ち込み、精密な伝統の技術で箪笥本体の枠組みを頑丈に組み立てます。引き出しなどは丁寧にカンナをかけ、隙間なく、しかもスムーズに開け閉めできるように組み立てるのです。

 

表面は丹念に磨き、木が本来持っている美しい木目を活かします。伝統的な工法で作る天然染料をハケで塗り、乾燥させて蝋をムラなく塗り、最後に金具を取り付けます。

桐の素材としての利点

桐がその昔から家具の材料として重宝されたのには、桐の素材としてのさまざまな利点が理由となっています。桐の素材としての利点には以下のようなものがあります。

軽い・美しい

桐は木材の中でも日本で一番軽い、といわれています。そのため、箪笥に仕上げても軽く持ち運びに便利なのです。また、色白で柔らかな木肌と真っ直ぐで繊細さがある木目は非常に美しいものとなっています。

防虫効果・防腐効果

桐には虫が嫌う、パウロニンやセサミンなどの成分がたくさん含まれています。そのため、大切な衣類を虫から守れるのです。また、桐にはタンニンも多く含まれています。タンニンは防腐力が非常に強いため、桐箪笥はとても腐りにくいのです。

箪笥内の湿度を保てる

しっかりと乾燥させた桐の材からは、機密性の高い箪笥を作れます。さらに、湿度の変化に対して、膨らんだり、収縮したりするため、箪笥の中の湿度を一定に保ってくれるのです。

燃えにくい

桐は燃えにくい材として昔から重宝されています。発火点が高いほか、熱が伝わりにくいため燃えにくく、熱で割れることもありません。もし表面が焦げたとしても中の衣類は無事、ということも多いのです。また、水を吸って膨張して中身を守るので、昔から「火事になったら桐箪笥には水をかけなさい」といわれています。

桐箪笥の再生方法

桐は、もし汚れがついても削れば元の美しい木肌が蘇ります。桐箪笥は親子三代にわたって伝えられるともいわれ、2度、3度と再生できるのです。また現在では、リメイクの術も発達しているため、しばらく使っていない桐箪笥を蘇らせることは難しくありません。リメイクすると蘇らせられる桐箪笥ですが、実際にはどのような工程を経て再生されるのかを説明します。

金具外しと洗浄

まず、箪笥の金具を外してから洗浄し、その後しっかりと乾燥させてから修理に入ります。

 

金具は、何十年と使われている箪笥の場合、内側は錆びついていることが多いので、取り外しにはかなりの時間が必要です。金具が外れたら外側と内側をお湯で洗います。箪笥を洗うことでホコリや汚れを落とすだけでなく、箪笥についた細かい傷を確認できるのです。

修理

洗浄で浮き出た傷をカンナで丁寧に削り、破損の大きな部分は桐の木を埋めて修理します。材と材に緩みが出ているところは「ハタガネ」という伝統的な木工の締め具で直し、虫喰いのあるところは、場合によってはその部分を取り除き、新しい材で張り替えます。

 

また、台輪が取れていたり、虫喰いや痛みが出ていたりする場合には新たに作り直すことになるでしょう。台輪は桐箪笥の一番下についている台で、傷みやすい部分になります。

 

部分的な修理が終わったら、200本ほどの木釘を用いて組み立て直します。

表面の削り

破損部分の修理が終わった桐箪笥は、カンナで表面を削ります。削ることで細かい傷がなくなると同時に、本体の反りや歪みが調整されます。

塗装・金具付け

削りまでが済んだら塗装です。塗装は1回だけでなく、2、3回と繰り返して丁寧に仕上げます。塗装を乾燥させたら、ロウを塗って磨きます。磨きなどの加工が済んだら最後に金具をつけます。

まとめ

以上、桐箪笥の利点やリメイク方法について説明しました。桐箪笥のリメイクには、熟練の技術が必要であることをお分かりいただけたのではないでしょうか。

 

桐箪笥の修理やリメイクなら、創業昭和20年の「小林宝林堂」にお任せください。熟練の技を持った職人が大切な桐箪笥を蘇らせます。桐箪笥のリメイク、修理など、お気軽にお問い合わせください。

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