和家具を修理して伝統を継承しよう!修理について詳しく解説

皆さんのお住まいに和家具があるご家庭はありますか?古くなって立て付けが悪くなったままや、傷んで見た目が悪くなり置物と化しているというご家庭もあるかと思いますが、修理をすればまた使える素敵な家具になります。

今回は、古くなって使っていない和家具の修理について、その方法などについても詳しく解説していきます。

和家具の定義

和家具と呼ばれる家具は実は定義がなく、洋風のものが輸入されるようになったため、元々使われていたものを和家具と呼んで区別していました。日本の生活において、家具とは地位のある人が使うもので、庶民に家具の概念が広まったのは江戸時代~大正時代にかけての婚礼家具がきっかけでした。

和家具の特徴

和家具は木工技術や模様でその種類が分けられています。また、洋風の服や文化が輸入されて使われなくなった和家具もあります。タンスだけでもたくさんの種類があり、衣装箪笥や水屋・茶箪笥・薬箪笥など今でいうクローゼットやパントリー、サイドボードと言い換えられるものがあるのです。古典的な和家具は中国のものを真似した家具もあります。

代表的なのが座卓で、これは中国の卓袱料理からヒントを得てできたもので、ちゃぶ台と呼ばれ世間になじんでいきました。

指物家具

板を組み上げて作られる家具で、釘などの締結金物を使わずに作られたものを言います。指物家具は三大指物と呼ばれる種類があり、京指物・江戸指物・唐木指物が挙げられます。起源は奈良時代の唐木指物で、遣唐使が唐の時代であった中国から持ってきた木材で家具を作ったことから、唐木指物と呼ばれるようになりました。安土桃山時代になると唐木指物は茶道や書院造りの発展のために飾り棚や茶棚、花台が作られるようになったのです。

京指物は平安時代の貴族文化から生まれた指物で、平安京で朝廷や公家が主に使っていたことから、細やかな細工がされていました。そのため、高級和家具として伝統工芸品として扱われてきました。

江戸指物はほかの指物より歴史が浅く、武家や大名家用に作られ、江戸時代中期以降は商人や歌舞伎役者用に作られました。京指物とは異なり、華美な装飾がなく淡白なデザインで素材本来の美しさに渋みを与える漆塗りが好まれたとのことです。

塗り物家具

漆塗りの家具の一つで漆の木から採った樹液を何度も重ね塗りをして作り上げます。奈良時代に中国で作られていたものを真似していましたが、平安時代に日本独自の工法へと変化を遂げました。

民芸家具

庶民が使う家具として江戸時代から明治時代にかけて作られました。実用品としてはタンスや水屋が作られ、鉄金具のついたデザインが主流でした。各地で庶民用に作られていたので、地方色が豊かなのが特徴です。

和家具の修理について

和家具の修理は物によって費用に振れ幅があります。その家具の年数や材質、状態によっても作業が変わってくるので、業者に見積もりを出してから直すかどうかの判断をすることをおすすめします。

和家具の修理の仕方

和家具の修理は物の状態を把握し、慎重に行われるのであまり多くの業者がいません。基本的には金具を取り外してから修理を行いますが、アンティークな家具の場合は傷を劣化ではなく味として残すので金具を取り外さずに修理を行います。

木材の調整

まず木材の反り具合や傷の程度、隙間がどれくらいなのかを確認し、木材の交換や解体、組み直しなどの木材の調整を図ります。次に薬品を使って漂白・抗菌・消臭し、木材を長く使えるようにします。木材の調整は今後の作業に大きな影響を与えるので、とても繊細な見極めが大切です。

金具の修理・復刻

金具部分は老朽化すると錆びたり塗膜ができたりするので、磨き上げてその美しさを取り戻します。腐食が進み状態を戻せない金具は同じ形のものを作り直します。

塗装

塗装の方法にはいくつか種類があり、その方法によっても値段は大きく変動します。最も一般的なのがウレタン塗装で、色も豊富で耐久性がある塗装です。他にもカシュー塗装や柿渋仕上げ、との粉仕上げ、オイル仕上げがあります。カシュー仕上げは漆のような出来上がりで光沢があります。柿渋仕上げは渋柿の汁を発酵させたもので防腐・防水効果を発揮してくれるのです。との粉仕上げは桐タンスの仕上げや高級漆塗の下塗りに使われます。木肌のぬくもりを感じられるのが特徴です。オイル仕上げは植物油などを主成分とした塗料です。最も高額なのが漆塗りですが、年数を重ねるごとにその味わいは深くなっていくのでおすすめの塗装のひとつとなっています。

まとめ

和家具を修理して使える状態にすると伝統工芸品の継承にもなり、日本の文化を大切にしていくことにもつながっていきます。「株式会社小林宝林堂」では、和家具や漆器などの修理を行っております。ご家庭にある、使われていない和家具や漆器をぜひ一度お持ちいただければと思いますので、まずはお気軽にご連絡くださいませ。

 

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